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一足早いのですが、準備はどうですか

f:id:kuromekawa28:20151029090727j:plain集英社文庫版

世界の今に、もう一度見てもらいたいクリスマスの原点とも言える物語です。

あまりにも有名なイギリスの作家ディケンズの「クリスマス・キャロル」です。クリスマス・イヴの晩に、ケチで強欲で冷酷なスクルージのもとに7年前に死んだ共同経営者マーレイの亡霊が現れるという不吉な言葉で始まる。

 

 マーレイの予言通り、この夜にスクルージのもとに3人の精霊が現れて、彼の過去、現在、未来を見せる。スクルージを震撼させたのはだれも悲しまない自分の孤独死だったが、それ以上に強い印象を残すのは現在である。

 

 そこはスクルージが安月給で雇っているボッブの家、食卓を囲んでクリスマスを祝う一家だ足の悪いティムを指差して「あの子は生きのびられるだろうか」と問うスクルージに「子供は死ぬ」と精霊は言う。「死にそうなら、死んだらいい。そうすれば、余分な人口が減る」と。それは昼間、スクルージが口にしたセリフだった。さらに貧しい子どもたちを見たスクルージは「彼らが避難できる場所はないのか」と問う。「監獄があるんじゃないかな?」「救貧院があるんじゃなかったかね?」というのもスクルージのセリフだった。

 

産業革命を経てもなお貧富の差が大きかった19世紀のイギリス、ケチで冷酷なスクルージとはなど拝金主義がはびこる当時のイギリスの政治そのものを象徴していた。

 

物語は改悛したスクルージが急にいい人になって、ボッブの給料を上げると言い出し、<ちびのティムが言ったように、神さまがわたしたちすべてに祝福を与えてくださいますように!>と、めでたしめでたしの幕で終わる。

 

クリスマスを家族で祝う習慣は、ディケンズが広めたという説もあるくらいです。